管外視察(光田議員)3/2
活動報告2017.03.10
期間 2017年3月2日(木)
場所 大阪市役所 なんば駅周辺 担当署 大阪市 建設局 企画課長 山向 薫氏 大阪市 建設局 道路部 道路課長 生島 圭二氏 担当者 山本憲和、光田あまね
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<視察目的>
御堂筋のにぎわいづくりについて
自転車通行環境整備計画について
<概要>
座学にて担当局からの概要説明を大阪市役所内にて受ける。
その後、実地視察。
<内容>
◯御堂筋の空間再編に向けた取り組み
〜これまでの検討〜
■御堂筋空間利用検討会<平成21年12月〜平成24年3月>
・学識経験者、地元、経済界で組織する検討会で御堂筋の将来ビジョンについて議論。
・「御堂筋の空間利用に係る中間提言」取りまとめ(平成24年3月)
■御堂筋の空間利用のコンセプト⇨「世界に誇れる魅力と賑わいに溢れた空間の創出」
■「クルマのための機能」を抑え「人のための機能」を高める道路空間の再編。
■グランドデザイン・大阪(大阪府・大阪市)平成24年6月
・短期的目標「御堂筋の歩行者空間化(緩速車線の利活用)」
・長期的目標「全面みどり化」
50年後は全面歩行者空間を見据えて、時間軸を検討していきたい。
■大阪都市魅力創造戦略(大阪府・大阪市)平成24年12月
・御堂筋フェスティバルモール化〜クオリティの高いにぎわい空間へ〜
・にぎわいの形成・歩行者空間の充実。
■社会実験の実施 平成25年11月
・側道(新橋交差点〜難波西口交差点間)を閉鎖し、自動車交通への影響を確認。
・合わせて自転車通行空間の設置による安全向上効果当を確認。
(実験結果の概要)
□自動車の走行時間が最大で4分程度増加(梅新南交差点〜難波西口交差点間)
□アンケート調査では、ドライバーの7割が「混雑を感じた」と回答。
□自転車通行空間の設置に関しては、歩行者・自転車利用者の6〜7割が「良い」と評価。
■パブリックコメントの実施 平成26年10月
・道路空間編成の基本的な考え方(行政案)を取りまとめ、意見募集(意見総数110件)
(主な意見)
□自転車に関する意見―37件 : 通行空間の整備に賛成、対面通行の危険性を懸念。など。
□交通等に関する意見―18件 : 歩行者空間化に賛成、渋滞・停車機能低下への懸念。など。
□空間再編の方向性に関する意見―12件 : 上質な空間や沿道の個性を活かした空間などを期待。など
自転車走行レーンー御堂筋の景観に調和した色彩を起用。
・濃いグレーにすることで、歩行者空間と区別。
・デザインにも工夫。
・<課題>歩行者が間違えて歩行する。
■御堂筋社会実験
実施期間 10/9(木)〜10/11(土)
10/12(日)19時以降、10/13(月)終日は台風19号接近によす影響を考え、
下記日時は実験を中止
実施場所 伏見町3丁目交差点=平野町3丁目交差点(東側側道及び歩道)
実施内容
実施期間中は、社会実験の一環として道路活用を活用としたさまざまなイベントが各主催者により実施された。
特に上記の期間は、側道を閉鎖し、自動車の通行を規制することで、道路空間(側道や歩道)と沿道建物のセットバック空間が一体となったにぎわい活動が実施された。
周辺状況
この周辺はオフィス街であり、平日はビジネスを主体とした人口構造となっている。
そのため、土日は人通りが少なく、にぎわいづくりとなる媒体が少ない。
アンケート調査結果
「御堂筋にぎわい創出社会実験の結果について」平成27年2月 大阪市建設局 より抜粋
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000289/289781/jikkenn_kekka.pdf
側道を閉鎖した3日間を対象に、社会実験対象区間を通行される方に対して、対面式の聞き取り調査を行った。(回収結果850 名)
本実験の認知度について
ほぼ半数の方が本実験を認知しており、認知手段においては、
「ラジオ・テレビ・新聞」や、「ポスター、ビラ、タブロイドパンフ」と回答された方が
それぞれ約3割を占めており、次いで「看板」と回答された方が約2割であった。
にぎわい活動への評価
にぎわい活動が道路上で行われることに対しては、「非常に良い」「良い」と回答された方が約9割を占めていた。
にぎわいの実施頻度については 「月1回程度」が良いと思われる方が最も多く約4割を占めている。次いで、「3ヶ月に1回程度」が良いと思われる方が約3割であった。
また、この地域にふさわしいにぎわいの内容(複数選択)としては、「オープンカフェ等の飲食店舗」が最も多く約7割の方が回答された。
マルシェ等の物販店舗(46%)コンサート、展示会等のイベントスペース(46.6%)、
その他11.9%(代表的な意見:大阪らしい店舗の出店やイベントを行って欲しい・もっと子供が楽しみやすいイベントを行って欲しい)
交通量等 調査結果
調査場所 : 実地区間北端の伏見町3丁目交差点付近
側道を閉鎖した3日間の平日と休日(土)の交通状況を実験前と比較した。
なお、10/9(木)は雨天の影響もあり、歩行者、自転車交通量については
10/10(金)の調査結果についても比較を行なっている。
歩行者交通量
10/9(木)は雨天の影響もあり、全体の交通量が実験前の平日よりやく1割減少したが、翌10日(金)は実験前の平日より約3割増加した。
また、休日(土)の10/11(土) いついても実験前の休日(土)より約6割増加した。
自動車交通量
自動車交通量をみると、平日の10/9(木)、休日(土)の10/11(土)ともに全体の交通量は実験前と比較してほぼ横ばいであった。
自転車交通量
自転車交通量をみると、平日の10/9(木)は雨天の影響もあり全体の交通量が実験前の平日より約1割減少したが、翌10日(金)は実験前の平日と比較してほぼ横ばいであった。
また、休日(土)の10/11(土)についても実験前の休日(土)と比較してほぼ横ばいであった。
東側、西側それぞれの交通量を実験前と比較すると、東側の交通量は10/9(木)で約2割、翌10日(金)で約1割減少していたが、10/11(土)はほぼ横ばいであった。
参照 : 御堂筋の道路空間再編に向けたモデル整備リーフレット
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000378/378248/siryou1-4p.pdf
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000378/378248/siryou2-3p.pdf
境界石・街梁→機能面・維持管理面から大阪市標準仕様を基本に選定
<所感>
昨今、全国的に都市間競争がなされ、いかに交流人口を増やすか、来街者を増やしていくか、街の魅力を高めるか等、切磋琢磨されているなか、神戸市においても、三宮周辺再整備を掲げ、様々な施策やイベント等でにぎわいづくりに奮闘している。
今回は、歩行者空間の創造、主にフラワーロードの歩行者空間創造に関して、他都市の事例を参考に座学と視察を実施した。大阪市では、御堂筋のにぎわいづくりにおいて社会実験がなされ、アンケート結果もふまえて検討を重ねられているため、参考にできることころは参考にしたい。
神戸市役所、神戸税関前にかけてのフラワーロード沿いには、にぎわいづくりに資する商業施設が少なく、公園やオフィスビルが並んでいる。周辺状況としては、御堂筋の伏見町3丁目交差点―平野町3丁目交差点に似ている部分があるので、アンケート結果を参考にさせていただいた。
アンケート結果にもあるように、にぎわい活動が道路上で行われることに対しては、「非常に良い」「良い」と回答された方が約9割を占めていた。その実施頻度については「月1回程度」がよいと思われる方が最も多く、約4割を占めている。次いで、「3か月に一回程度」がよいと思われる方が約3割であった。また、この地域にふさわしいにぎわいの内容(複数選択)としては、「オープンカフェ等の飲食店舗」が最も多く約7割の方が回答された。マルシェ等の物販店舗(46%)、展示会等のイベントスペース(46.6%)、その他(11.9%:大阪らしい店舗の出店、もっと子供が楽しみやすいイベントを行ってほしい)とのことである。
神戸市では、東遊園地を芝生化し、様々なイベントやファーマーズマーケットを実施している。敷地内での活動であり、交通機関への影響はそれほどないが、三宮の大動脈でもあるフラワーロードでの実施となると、完成までに社会実験を重ね、アンケート結果や調査結果から、歩行者、自転車、自動車のより良い共存を検討していく必要があるのではないだろうか。
御堂筋を走行する自転車交通量は、実験前と比較してほぼ横ばい、御堂筋の東側、西側それぞれの交通量を実験前と比較すると、平日では閉鎖している東側は約1割減、一方西側は約2割増となり、全体としてはほぼ横ばいであった。(実施場所:実地区間北端の伏見町3丁目交差点付近)数字上からの推測ではあるが、東側を通行していた自転車が西側を利用するようになり、全体としてほぼ横ばいなのだと推測する。
自転車専用道路の設置については、色彩やデザインを御堂筋の景観に調和するものを採用し、通常は目立つようにブルーの塗装が多いが、御堂筋に関しては濃いグレーを採用し、歩道との区別化を図っている。ピクトグラムのデザインも専門家のアドバイスを参考に、大阪独自のデザインにされている。課題としては、歩道との区別がまだまだ浸透できておらず、歩行者が歩道と認識し自転車専用道路を歩行しているので、引き続き啓発に取り組んでいきたいとのことであった。デザインの観点では、銀杏並木と街灯を一直線上に並べる等、景観のスマートさも検討され、街灯に関しては新設するのではなく、既存の街灯を移動させ、コスト面でも無駄を省く努力をされていた。老朽化し新調する時期がきたら、街灯のデザインもその時代に合うものに一新したいとのことであった。
神戸市もデザイン都市を掲げ、従来からの「洗練された」イメージを崩さない工夫が必要であり、新設するだけではなくて、既存のものの移動や看板建築等、有限財源を有効に、かつ、大きなパフォーマンス効果ができるよう、検討・実施して頂きたい。
以上