活動報告

未来都市創造に関する特別委員会行政調査(光田議員)

活動報告2017.02.06

未来都市創造に関する特別委員会 行政調査

 

【視察日程】平成29年1月30日~31日

【視察者】 神戸市会議員 光田あまね

【視察地】 福岡・広島

 

2017年1月30日(月)

西日本鉄道株式会社訪問

(目的)

天神高速バスターミナルについて

博多バスターミナルについて

 

(内容)

  • 西鉄天神 高速バスターミナルについて

福岡の都心に位置するバスターミナルのひとつであり、高速バスなどの中長距離路線のバスが発着している。

高速バスの年間利用人数は日本一と、全国でも屈指の規模を持つ。

平成27年3月にリニューアルを実施し、西鉄天神バスセンターから現在の名称に変更された。運営会社は西日本鉄道株式会社。

 

会議室にて概要の座学を受け、質疑。その後、現地を視察した。

 

乗車オペレーションでの工夫

・床面に行き先表示を表記していたが 、耐久性がなく、新路線が出てきても、

代替が難しかった。

→デジタルサイネージと連携したシンプルな表記に変更。

 

インフォメーションの設置

 

(乗り場)

・視認性がよく、気軽に声掛けできる乗り場中央に設置。

・乗車券窓口とは別に気軽に聞ける。

・インバウンド対応のスタッフ常駐。英語・中国語・韓国語に対応したスタッフを配備。

それぞれの言語のバッジを着用している。

(降り場)

・降車場の 中央でお客様をお出迎え。

・天神の街の案内役として、お客様をサポート。

・複雑な施設案内をわかりやすくご案内。

 

  • 博多バスターミナルについて

(担当者)

博多バスターミナル株式会社 代表取締役社長 宮野 祐輔氏

博多バスターミナル株式会社 営業部 部長 楠田澄人氏

 

宮野社長より挨拶とバスターミナル概要説明を受ける。

その後、商業フロアとバスターミナルを実地視察。

商業フロア   地階~8階

バスターミナル 1階~3階

実地視察後、質疑応答。

 

西鉄 バス・JR九州バスの運行上の拠点ともなっているほか、糸島・唐津方面に路線網を広げる昭和自動車の拠点ともなっている。

一部の路線は、博多駅周辺のバス乗り場に停車する路線もある。

運営会社は博多バスターミナル株式会社。

 

出資比率

西日本鉄道株式会社 67.95%

JR九州       21%

福岡市       4%

延床面積   45,634㎡

バス発着状況 約3,120台/日(高速バス780台、市内バス2,340台)

バス利用人員 約70,000人/日

 

博多バスターミナル リニューアルの主な内容

 

①各階の乗り場をイメージカラーで演出

3階 高速バス乗り場   グリーンを基調とした高級感と落ち着きのある空間創出

2階 高速バス到着ホーム グレーを基調とした高級感と落ち着きのある空間創出

1階 市内バス乗り場   ブルーを基調とした、モダンな空間創出

 

②車椅子や女性のお客様にも優しく、くつろげる施設の提供

車椅子のお客様対応型 自動券売機(3階2台、1階1台)

車椅子のお客様用 切符売り場カウンター設置

多目的トイレ(3階)

車椅子のお客様対応エレベーター設置(地階―4階)段差のないフラットなフロア

 

女性のお客様向けに

「授乳室、着替え室を備えたパウダールーム」を新設 2階

(福岡市こども未来局の「あかちゃんの駅」に登録)

授乳室2室、着替え室2室、化粧台3台

 

③外国語表記の充実

自動券売機:日本語・英語・韓国語・中国語(簡体)・中国語(繁体)の中から

言語を選択して高速バスの予約や切符の購入ができる。

高速バス運行案内(出発)

10秒、5秒、10秒、5秒、10秒、5秒の周期で、

日本語・英語・日本語・韓国語・日本語・中国語に表記が変わる運行案内(出発)

福岡市保健福祉局に相談の上、色弱のお客様にも認識しやすい色に決定。

 

④お客様によりわかりやすく利用していただくために、総合案内所、

バスの情報コーナーの新設。

 

 

 

 

2017年1月31日(火)

広島市役所訪問

(目的)

広島駅周辺整備について

(内容)

広島圏都市計画事業(広島平和記念都市建設事業)

二葉の里土地区画整理事業(二葉の里土地区画整理事業資料より抜粋)及び関連公共施設整備について

二葉の里地区は、中四国最大のターミナル駅であるJR広島駅に近接しているものの、

未利用国有地等が存在するなど、低・未利用な状況だった。このため、土地区画整理事業により公共施設整備、宅地整備を行うとともに、計画的な開発の誘導を図り、広島市の陸の玄関にふさわしいまちづくりを進めてきている。

 

広島駅周辺地区では、多くの大規模プロジェクトが実施され、広島駅周辺地区が、国際平和文化都市、広島の陸の玄関として、また紙屋町・八丁堀地区とともに広島の都心として、ますます発展していくことが期待されている。

 

広島市役所にて、プロジェクトの概要を座学にて受け、実地視察を行った。

 

実地視察場所は以下の通り。

・広島駅南口Aブロック(第一種市街地再開発事業)(エールエールA館)

・広島駅南口Bブロック(第一種市街地再開発事業)

・広島駅南口Cブロック(第一種市街地再開発事業)

 

■広島駅南口Aブロック

組合施行により再開発事業が行われ、平成11年4月に福屋広島駅前店を核テナントとするエールエールA館(11階建)がオープンし、シンボル性の高い高次商業施設となっている。

 

■広島駅南口Bブロック

老朽建物が密集していた同地区を、建物の不燃化と土地の高度利用により再生するため、再開発組合が地上52階の西棟、10階の東棟からなる再開発ビルの建設を進めていた。西棟は住宅、店舗などのほか、広島市総合福祉センターが整備されている。東棟は店舗、駐車場などを配置し、公共駐輪場が整備されている。

■広島駅南口Cブロック

Bブロック地区と同様に、老朽建物が密集していた同地区を、建物の不燃化と土地の高度利用によりさいせいするため、再開発組合が地上46階の住宅棟、11階の商業棟からなる再開発ビルの建設を進めていた。住宅棟は分譲・賃貸住宅、店舗などを配置。商業棟は店舗、スポーツ施設、駐車場などを配置し、一画にはかつての愛友市場の雰囲気の再現が検討されていた。

 

(所感)

三ノ宮周辺の再整備にあたり、コンセプトや工夫、民間と自治体の関係等、参考になるところを取り入れたく、このたび福岡市と広島市に視察した。

福岡市ではふたつのバスターミナルの概要説明を受け、実地視察した。様々な工夫が凝らされ、福岡のエネルギーをターミナルからも実感できる作りであった。何よりも、

西日本鉄道株式会社という民間企業が旗を振り、資金を投入し、運営をされ、自治体は最初の出資金(4%)のみであるというのも、大きな要因であると考えられる。

業績が死活問題となる民間企業が主体となれば、経営戦略も失敗は許されない。その本気が様々なアイデアを生み出し、行政は最初の補助だけなので、市としても負担が少ない。神戸市においても、できるだけそのような活力ある民間企業が主導権を握って開発を進めることができれば、再整備の幅も広がるのかもしれない。

広島駅は、姫路駅や京都駅のように、在来線と新幹線が乗り入れており、市内移動だけでなく、全国にわたり陸路移動が容易である。そのため、駅周辺の住宅購入者の中には、「東京で成功した広島出身者が、広島に居住しながら東京でのビジネスにも容易に移動できる」という層も少なからず存在するとのことだった。

駅周辺に住宅が増えることにより、子育て世帯の場合、幼稚園や学校等の教育機関の充実も必須となるが、広島市のこの地区においては、一学年一クラスであり問題ないとの回答であった。現在の中央区では、マンションの増加に伴い人口が増加し、子供の数が増えると、一学年一クラスの学校は教室が足りなくなり、仮設教室でカバーしているのだが、広島市では、まだこのような課題が出ていないようで、行政側もそこまで問題にしていない様子であった。

以前は、駅ビル内にホテルとデパートが入るのが主流だったが、景気の変化により最近はテナント誘致に苦慮し、住宅を扱う不動産会社が入るのが主流とのことだ。

三宮周辺の再整備において、市が保有する種地が少ないことと、地権者との話し合いで、なかなかスムーズに進みにくいのが現状である。街の中心であり活力のある場所は、ある程度自治体が開発しやすいように、権利等を管理していく必要があり、今、販売しやすいという理由で、その場しのぎの再開発を進めると、数十年後の建て替え等で再び問題が勃発する恐れがある。再整備に商業地と住宅地を融合する場合は、様々な課題が発生することを念頭に、十分な検討が求められる。

以上