活動報告

平成28年8月29日~31日 企業建設委員会行政調査

活動報告2016.09.16

企業建設委員会行政調査が行われました。

 

【視察日程】平成28年8月29日~31日

 

【視察者】 神戸市会議員 光田あまね

 

【視察地】

<8月29日>

横浜市調査①(説明)

○横浜市動物園について

横浜市調査②(説明・現地視察)

○よこはま動物園ズーラシアについて

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現地視察の前に、横浜市動物園(4園)の概要、4園すみわけに至った経緯及びそれに伴う効果、集客増対策、動物とのふれあいの現況及びノウハウについて説明を受けた。

よこはま動物園ズーラシアは、横浜を代表とする誰もが楽しみながら学べる動物園として平成11年に開園された。全面開園すると45.3haとなり、国内最大級の動物園である。園内は「アジアの熱帯林」から「アフリカのサバンナ」まで8つの気候帯で構成され、展示場生息環境を再現した「生息環境展示」となっている。オカピ、インドライオン、カンムリセイランなど、日本初渡来の動物を数多く飼育している。現在動物園の管理運営については、指定管理者である公益財団法人横浜市緑の協会が行っている。

来園者数は平成26年に比べ平成27年は30%の集客増となり、その背景にはサバンナの開設やマスコミ活用とのことであった。またZOO GUIDEと呼ばれるスタッフが、12回/日の頻度で園内を回り、8月の土日祝にはナイトZOO(16時~20時半)として引き続き開園し、16時以降からの来園者数はお昼間の来園者数と同数(約4000名)というほどの人気ぶりだった。広大な敷地に自然溢れる園内は、まるでサバンナやサファリパークにいるかのようで、動物と人と自然が一体化するかのようなエンターテイメント性を帯びていた。

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<二日目>

横浜市調査③(説明)

○横浜市川井浄水場におけるPFI導入について

 

川井浄水場の概要及び再整備事業について説明を受けた。

 

(川井浄水場の歴史)

1887年 横浜に日本で最初の近代水道が創設、上川井村亀甲山に接合井を築造された。

1901年 川井に浄水場が完成。山手の外国人居留地に給水

緩速ろ過方式 浄水能力:1000㎥

1963年 川井浄水場を全面改築

急速ろ過方式 浄水能力:106400㎥/日

2009年 PFI方式による再整備時事業始まる。

2014年 膜ろ過による給水開始

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道志川から水を取り入れる施設(鮑子取水ぜき)にて、1日172800㎥を取水し、自然流下で川井浄水場まで導水している。鮑子取水ぜきの下流約1kmにある青山沈でん池にある5つの沈でん池に約9時間をかけてゆっくりと原水を流し、水の中の濁りを取り除く。

 

道志川の水質

○膜ろ過式の導入理由

省スペース

既存の浄水処理施設を稼働しながら更新工事が可能。

導水残圧の有効利用

位置エネルギーの有効活用→接合井から新設配水池への落差が11.5mあり、

導水残圧(有効落差)の活用が可能となるので、ポンプが不要となった。

国内では横浜と九州のみである。

清浄な原水水質

約100年の水源かん養林の管理により、横浜市で最も清浄な水源であり、

膜ろ過方式に適する。

コスト削減

急速ろ過方式に比べて、建設費と50年間の運転・維持管理費用で有利。

薬品使用量の削減、運転管理の効率化

 

浄水場での電力と薬品の使用量 削減

 

PFI手法の採用により、民間の技術力やノウハウを初期段階では活用され、

運転・維持管理は水道局の運用計画に基づき所定の水量を処理している。事業監視としては、20年間の運転・維持管理を適切に監視していく体制の構築(施設、運転、維持、財務)、また将来を見据えて、水道局職員の膜ろ過技術習得も並行して行っているとのことだった。

ポンプ不要による電力削減と大規模膜ろ過の導入による薬品使用の削減で、環境負荷の低減も実現され、環境に優しい水道システムを実現されていた。

既存施設の跡地は、50年後の建て替えのために売却はせず、見学者のための公園を作り、職員の方々が石拾いや種まきをしているとのことだった。神戸市においても参考にできるところは取り入れていきたい。

 

<三日目>

新潟市調査①(説明)

○スマートウェルネスシティについて

・ライジングボラードの設置について

・自転車利用環境の整備について

新潟調査②(現地視察)

○スマートウェルネスシティについて

・ライジングボラードの設置について

・自転車利用環境の整備について

 

スマートウェルネスシティを目指す新潟市では、ライジングボラードの設置と自転車利用環境の整備、LRT導入について、説明と現地視察を行った。

 

Smart(賢明、快適、エコ、美しい)Wellness(健幸=健康+幸せ(生きがい、安心など)City(まちづくり)

 

新潟市の課題として、超高齢社会の進展(高齢化率29%)、高いマイカー依存(7割がマイカー移動)、公共交通利用者の減少(H2 6900万人→H22 2400万人)、全国平均を下回る歩行量(男性15歳以上 6401歩(全国7074歩)男性70歳以上4440歩(全国5102歩)/

女性15歳以上 5990歩(全国6006歩)、女性70歳以上 3305歩(全国3790歩)がある。

スマートウェルネスシティの取り組みとして、H24 7月に「新潟市公共交通及び自転車で移動しやすく快適に歩けるまちづくり条例」が制定された。

公共交通の強化

  • 地域内の生活交通確保
  • 都心アクセスの強化
  • 都心部での移動円滑化(BRT(次世代型バスシステム)の導入。

以前のバス路線は、郊外の各方面から市街地に集約される路線であり、中心部のバス渋滞やわかりにくいバス停等の課題があった。BRT導入とバス路線再編、交通結節点の整備により、市街地のバスを集約し、生まれた余力を郊外のバス増便や運行サービス維持・向上に活用。市街地では、既存のバスでありながら、行先表示の横に「BRT」と明記し運行していた。結果、バスがスムーズに運行され、乗り場もわかりやすくなったとのことだった。

BRT第一期導入区間を公設民営方式で開業。数台ではあるが日本海の夕日をモチーフにした車両デザインのBRTも運行している。

公設民営方式:連節バスや走行環境などを市が整備

運行事業者は運行と維持管理

 

また歩行空間の整備として、全国初の公道設置「ライジングボラード」の整備がされていた。

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【設置場所】 中心市街地「中央区古町通6番町」

正午~翌朝8時 歩行者専用道路。ライジングボラードが出現する。

 

【設置場所】 「中央区古町通8番町」

17:00~22:00 歩行者専用道路。ライジングボラードが出現する。

 

通行規制時間帯に通行する場合は、警察の通行許可が必要であり、手続きとしては、警察の通行許可を受けた車両には、ライジングボラードを操作するリモコンが配布される。(配布場所:新潟市中央区役所建設課)身体障碍者手帳等を持ち、警察から標章の交付を受けている方が、やむを得ず通行する必要がある場合は、①リモコンによる通行②職員による対応 のいずれかの方法にて通行できるとのことだった。

 

【設置効果】 違反通行車両の激減(119台/週→2台/週)

 

違反通行車両は激減し商店街の方々からは、お仕事がしやすくなると好評だが、賑わいにはまだ効果が出ているとは言い難い状況なので、賑わい作りに向けて市民の意見も聞きながら進めていきたいとのことだった。

神戸市においては比較的、商店街と行政が一体となって取り組んでいる地域が多く、立て看板などで、商店街内に入る車両や自転車への注意喚起は浸透しているところも多いが、美観の面から、ライジングボラードのように必要な時間帯だけ出現するというのも有効かもしれない。