活動報告

ハンブルクについて 【日独友好神戸市会議員連盟ドイツハンブルク行政視察報告】

活動報告2016.05.27

 

【ハンブルク】

 

ハンブルク(Hamburg)は、首都ベルリンに次ぐドイツ第二の都市で人口が約170万人。エルベ川河口にあり(海から内陸約100Km)、古くから港湾都市として繁栄した。市の中心部にアルスター湖があり、エルベ川とは数多くの運河で結ばれている。大阪市とは姉妹都市。

 

【ハンブルクの経済・産業】

 

ハンブルクの経済構造はサービス業に特徴付けられ、全ての労働人口の約4分の3がこの分野に従事しています。それにもかかわらず、ハンブルクはまた重要な工業の中心地でもあり、商工会議所には14万社以上の企業が登録されています。

ハンブルクには多くの革新的な成長産業があり、特に目覚ましいのは港湾/運輸、ライフサイエンス、航空産業、海洋産業、メディア/IT部門です。これらはクラスター政策を1998年からとっており、現在は8分野のクラスターが存在します。

(8分野のクラスター)

1997:メディア・IT

2000:航空・宇宙クラスター(炭素繊維バレーの形成)

2004:ライフサイエンス、メディカルツーリズム

2004:港湾ロジステック(海運、陸運)

2008:創造セクター(デジタル情報分野)

2010:再生エネルギー(風力、太陽光、水素発電)

2010:健康ケア

2010:北海・海洋クラスター

 

環境イノベーションが2大目標で、産(商工会議所)、官(政府)、学(ハンブルク工科大、ハンブルク大、ハンブルク応用科学大学他)連携で強力に推進。環境とイノベーションの相互作用により経済発展を実現している。

国内総生産、年間十問一人当たりの経済力の高さがドイツで一番高く、ドイツの州平均より可処分所得が約25%高い。他州では人口減少に転じているが、ハンブルクは人口が増加しており、就業者の人口もコンスタントに増加している。

 

ハンブルクは北欧・東欧地域における主要貿易地でもあります。

冷戦による政治的分断がなくなり、北欧・東欧への経済拡張に伴い、ハンブルクはその地位を北部・東部欧州における有数の貿易都市へと発展させました。貿易規模は1兆ユーロ以上に上り、バルト海地域の貿易と交通において重要な役割を担い、バルト海経済圏とそのほかの経済圏を結ぶ中心的役割を担っています。今や貿易会社は32000社を超え、雇用者数も12万5千人以上が関連会社に従事しています。その上、海外貿易だけでなく9千社強が卸売/小売業に、そして4100以上の企業が貿易仲介業に従事しています。ほぼ600の企業が通信販売業を行っており、国際的に活動する多くの貿易会社がハンブルクに本社を置いています。

 

優れた国立及び私立大学や名の通った研究機関が近郊、遠方からハンブルクに施設を置き、9千以上の研究者と8万人以上の学生がハンブルクを学術の中心地として、彼らのアイデアと取り組みでハンブルク大都市圏におけるイノベーションと新しい知識の誕生に貢献しています。そして多くの企業がこの事に気付き、企業と学術機関は密接に協力・連携しています。

 

ハンブルクはブランドの首都でもあります。他のどの都市よりも、独創性あふれる企画者、ビジネスマン、そしてクリエイティブなマーケティングアドバイザーが多くの発明を市場性ある商品へと高め、製品を商業的成功へと導いています。ホルステン、ニベア、モンブラン、ラングネーゼといった世界的ブランドがハンブルクから生まれています。

HWF(ハンブルク・マーケティング公社)、ハンブルク経済振興公社は民営の法人形態をとったコンサルタント公社で、企業を事業拡張、企業再編成、または投資プロジェクトにおいてサポートしています。ハンブルク経済圏に現地法人の設立を希望する企業には、HMFの「外国企業向けサービス」チームが多岐に渡るサービスを無料提供します。内容は立地に関するアドバイスから商業用不動産の情報提供、さらに投資家に関するアドバイスに及びます。さらに、会社設立における支援・サポート、滞在及び労働許可取得におけるサポートも行います。

今回の各省庁や、クラスター、企業の意見交換の調整等もHWFに行って頂きました。

 

【ハンブルクと日本の関係】

 

ハンブルクと日本の良好な関係には、150年を超える伝統があります。1910年に、最初の在独日本領事館がハンブルクに開設されました。ハンブルク大学には、ドイツ最古の日本学講座を設置しており、1967年から毎年開催されている日本桜祭りは、日本とエルベ河畔の大都会を結ぶ友好の絆を象徴するもので、ハンブルクはヨーロッパ唯一の都市として桜のプリンセスを選考する特権を享受しています。また、大阪と姉妹都市のある横浜との良好な関係維持に努めています。100社を超える日本企業がハンブルク大都市圏に進出しており、約6000人の雇用を生み出しています。現在は、約2300人の日本人・日系人がハンブルクとその周辺で生活しており、さまざま団体やネットワークに所属しています。1981年からは日本人学校も開校されていて、ここで130人ほどの生徒が日本の教育制度に則って授業を受けています。